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2023年3月4日(土) 〜

2023「ほしぞら質問箱」お答え!

1・2月の投映をご覧のみなさまから、たくさんのご質問をいただきました。ありがとうございました!

3月投映予定番組「ほしぞら質問箱Vol.13」と星空だより紙面上でお答えしきれない質問に、このコーナーで「できるだけ?!」お答えしていきます。

お心当たりの方は自分の質問がないか探してみてください!

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しつもん・おこたえ

※なるべくたくさんの質問にこたえられるようがんばりますが、すべての質問におこたえすることはできませんのであらかじめご了承ください。

※更新日ごとにブロック分けしてあります。一度に全部お答えできず申し訳ありません。

※下に行くほど新しく掲載された質問です。掲載期間中は古い質問も削除はしませんのでご安心ください。

※担当者の時間の許す限りお答えしていきます。自分の質問がまだだなあという方、気長にお待ちいただければ幸いです。

【2023年3月4日更新分】

Q.月(2月、3月…とか)によって満月の大きさが変わりますがどういうしくみで変わるのでしょうか?他の星だったら距離も変わるので想像しやすいですが、月はいつも同じ距離というイメージのためわかりません。(41歳男性)
A.実は、地球と月の距離もいつも同じではなく変化します。月は地球の周りをきれいな円を描いて回っているのではなく、少しつぶれた楕円を描いて回っているので地球に近づいたり遠ざかったりするのです。

 

Q.ペガスス座は後ろ半分が無いのが話題になるのにおうし座はなぜ話題にならないの?(53歳男性)
A.するどい(?)ご指摘ですね。着眼点が面白いです。おうし座の後ろ半分がないのは、ゼウスが化けた牛がエウロパをさらい海を泳いでいるからだという話があるようです。古式泳法ですかね?エウロパずぶ濡れですよ。話題にならないのは…アルデバランという1等星があったり、すばる(プレアデス星団)があったりと、他に話題に事欠かないから…ですかね?この質問をヒントに今後は話題にしてみようと思います。

 

Q.日の出、日の入、月の出、月の入、それぞれ太陽や月が大きく見えるのは、なぜですか?(39歳男性)
 月が出はじめが大きくみえるのは何故ですか?(50歳男性)
A.これは目の錯覚によるものと言われています。太陽や月が空高く登っている時は、広い空にぽつんと、まわりに比べるものがありません。しかし地平線や水平線の近くにある時は、まわりの建物や山などと比べられるため大きく感じてしまうのだろうと考えられています。まっすぐ腕を伸ばして五円玉を手に持つと、月が五円玉の穴にすっぽりおさまります。月が空高く登っている時と地平近くにある時、両方を五円玉でのぞいてみると大きさが変わらないことが確かめられます(目を傷めてしまうのでこの方法を太陽では試さないでくださいね)。

 

Q.東の空からのぼってくるオリオン座はとても大きく見えます。高くのぼってくると小さく見えるのはなぜですか?(38歳女性)
A.よくお気づきですね。これも、ひとつ前の質問「地平近くの太陽や月はなぜ大きく見えるのか」と同じ理由で、目の錯覚によるものです。

 

Q.見えやすい銀河は何ですか?(見える銀河はありますか?)(9歳男の子)
A.真っ先にあげておきたいのは天の川です。天の川の正体は、私たちの地球のある太陽系が属している銀河で、銀河系とか天の川銀河と呼ばれます。10万光年の広がりを持つ大きな渦巻き型の銀河で、太陽のような星が2〜4千億個集まっていると考えられています。天の川とは銀河の中で暮らす私たちから見た銀河の姿なのです。そのほか日本から見られるのはアンドロメダ銀河です。アンドロメダ座の中にあり、まわりに街あかりがなく、空気のきれいなところなら目で見ることができます。南半球へ行けば、大マゼラン雲・小マゼラン雲は目でも見られる銀河です。これらは共に私たちの銀河系のお供の銀河(伴銀河)です。

 

Q.あきが四角形なのに、なぜなつとふゆは、三角形なのですか?(10歳女の子)
A.たまたまそういう形に星が並んでいたからです。夏と冬の特に目立つ明るい1等星がたまたま3つだったからでしょう。秋の四角形(四辺形)は決して明るい星たちではありませんが、秋の夜空はほかに目立つ明るい星がまわりにないので4つの星が目につきやすかったのでしょう。しかし、冬の空にはほかにもたくさん1等星があるので、シリウス→アルデバラン→カペラ→ポルックス→プロキオンと結んで、「冬の大六角形」とか「冬のダイヤモンド」などと呼ぶ人もいます。覚えやすい目印としてそう呼んでいるだけで特に決まりはありませんから、自分で好きな形に結んでみるのもいいですね。

 

Q.プラネタリウムは何故正面が南なのですか?街とはどういう状況の事ですか?(不明)
A.南が正面とは限りません。投影機を中心に座席が同心円状に並んでいて特に正面が決まっていない館もあります。某空港にあるプラネタリウムは南側に座席が設けてありました。映像なども映し出す場合、座席が同じ方向を向いていた方が都合が良いので、同じ向けるなら季節ごとに見える星座が大きく変化する南の空に向けた方が楽しめるので南が正面になっている館が多いのではと思います。また、もう一つのご質問はプラネタリウムでよく「街なかの星空」などという場合の「街」のことでしょうか?これは、空気がきれいでなく、街灯りが眩しく夜空を照らし星が見えにくい状況を指しているのだと思います。

 

Q.ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の写真がみたい(不明)
A.ご質問というよりはご要望ですね。そのうちプラネタリウムでも取り上げてみたいとは思いますが、取り急ぎこちらでご覧いただけます。
 →https://www.jwst.nasa.gov

 

Q.太陽はいつ爆発するのですか(4歳女の子)
A.爆発しません。太陽はガスでできていますが、歳をとると赤く大きくふくらんだあと、中のガスが抜けてしぼんでしまい一生を終えます。風船みたいですね。太陽の寿命はあと50億年くらいと言われているので私たちが生きているうちは問題ないでしょう。重さが太陽の8倍以上ある星は最後に爆発を起こします(超新星爆発といいます)。

 

Q.てんびんざができたりゆうをおしえてください(9歳女の子)
A.てんびん座は古代バビロニアの時代、約3000年前にはすでにできていたようです。てんびん座を含め、お誕生日の12の星座は地上から見た見かけ上の太陽の通り道(黄道)の上に作られました。秋分の日に太陽がちょうどやってくるポイントを「秋分点」といい、今現在はおとめ座の中にありますが、秋分点はだんだん移動するので、3000年ほど前にはてんびん座の位置にありました。秋分の日といえば昼と夜の長さがほぼ同じになる、言わば昼夜のバランスが取れている日。そこでバランスを取り重さを計る道具「てんびん」の星座を作ったのでは?という説もありますが、とても昔のことなので定かではありません。

 

Q.ベテルギウスはいつばくはつするかわかりますか(6歳男の子)
A.2019年の末頃にベテルギウスが急に暗くなったことがありました。もともと0.5等星だったのですが、2020年の1月終わり頃にはほぼ2等星くらいになり、いよいよ爆発するのでは!?とも言われましたが、2月半ばを過ぎると再び明るくなり、元に戻ってしまいました。これは爆発の前触れではなく、ふだんから明るさの変わる変光星であるベテルギウスがたまたま暗くなったタイミングと、ベテルギウスからふき出たチリが光を遮ったのとが重なったためだったのではと考えられています。どうもまだしばらくの間は爆発しないのではと言われていますが、実際のところはよくわかっていません。

 

Q.ほしぞらはどうしてながれるの?(6歳男の子)
A.「ながれぼしはどうしてながれるの?」ではなく、「ほしぞらはどうしてながれるの?」でいいのでしょうか?星がどうして動いていくか、という質問だと解釈してお答えすると、星空は実は動いていません。動いているように感じるのは、私たちの住む地球がまわっているからです。走る電車から窓の外を見ると、電車は動いていなくて、止まっているはずの景色が後ろに動いているように感じられることがあります。これと同じで、地球という電車に乗って、星空という窓の外の景色を眺めていると思えばわかりやすいでしょう。「ながれぼしはどうしてながれるの?」はほかに質問している人がいるのでお答えしています。このページのどこかにあるので探してみてください。

 

Q.せいざの中でいちばん大きいせいざ・小さいせいざはなに?(不明)
A.星座の大きさは星を結んだ部分だけでなく、それぞれの星座が持っている空の範囲(陣地みたいなものと思えばいいでしょう。領域といいます)の大きさで決まります。領域の広さは「平方度」という単位で表されますが、今ある星座の中でいちばん大きいのはうみへび座で、1303平方度です。いちばん小さいのは有名なみなみじゅうじ座(南十字星)で、68平方度しかありません。かつては、アルゴ座という巨大な船の星座がありましたが、今では船のパーツごとに、ほ座(500平方度)、とも座(673平方度)、らしんばん座(221平方度)、りゅうこつ座(494平方度)の4つに分けられてしまいました。足し合わせると1888平方度にもなりますからいかに大きかったかがよくわかるでしょう。

 

Q.昼に月がみえるのはなんで?(不明)
A.実は月以外の星たち(惑星や星座の星など)も、昼間でも空に光ってはいるのですが、それ以上に桁外れに明るい太陽が空全体を明るくしてしまっているので光が打ち消されてしまい見えません。しかし月は他の星たちに比べとても地球に近い(約38万km)ので、面積も大きく、昼間の空の明るさに負けないくらい明るい(満月の時で約−13等級)ため昼間でも見えるのです。他にも惑星の中でも特に明るい金星は、最大光度を迎えると−4.7等級くらいになり、空気が澄んでいるなど条件さえ揃えば昼間でも見ることができます。

 

Q.日本で見えない星座はどんな星座?(9歳女の子)
A.地球は丸いボールのような形をしていて、北極点と南極点を結ぶ地軸を中心に1日1回転回っています(自転といいます)。串に刺さったボールを思い浮かべてみましょう。串の刺さっている二箇所が北極点と南極点、その二箇所から均等に…同じ距離ずつ離れたところが赤道です。赤道では太陽も月も星も地面に垂直に昇ったり沈んだりします。理屈の上では赤道にいればすべての星座を見ることができます。赤道から北へ離れれば離れるほど、地面(地球)に隠されてしまって南極の真上の星座から順に見えづらくなっていきます。日本でいちばん南寄りの場所は、人は住んでいませんが沖ノ鳥島(北緯20度25分)なので、ここから見た場合、まったく見えない星座は「カメレオン座」「テーブルさん座」「はちぶんぎ座」の3つだけです。「テーブルさん」は南アフリカ共和国にある山(テーブルマウンテン)、「はちぶんぎ」は航海や測量に使う道具です。もちろん沖ノ鳥島よりもっと北にある久喜では見えない星座の数は増えていき、有名なみなみじゅうじ座(南十字星)なども見ることができません。

 

Q.ブラックホールはなんこぐらいあるの? つきにうみは、あったんですか?(5歳男の子)
A.太陽の30倍以上の重さの星が爆発したあとにはブラックホールができます。また私たちの銀河系(天の川銀河)の中心に超巨大ブラックホールがあることが確かめられており、ほとんどの銀河は中心に超巨大ブラックホールを持っているようです。私たちが知りうる限り、銀河の数は1,000億個とも、もっと多いとも言われていますから、少なくとも1,000億個以上のブラックホールがあることになります。もちろん実際はもっともっと多いでしょう。
月に海はありませんでした。今、海と呼ばれている黒い部分は玄武岩という黒い溶岩でできていて、昔、溶岩がくぼみにたまってできたと考えられています。16〜17世紀ごろに活躍したガリレオ・ガリレイやヨハネス・ケプラーといった天文学者たちが望遠鏡で月を見て、黒いところには水がたまっているのだろうと勘違いしました。その頃の望遠鏡はそんなによく見えなかったでしょうから無理もありません。はじめて「海」と呼んだ人はヨハネス・ケプラーと言われています。

 

Q.きょだいブラックホールは、どのくらいの大きさですか?(9歳男の子)
A.世界中の電波望遠鏡8台を合わせた巨大電波望遠鏡イベント・ホライズン・テレスコープの観測から、M87という銀河の中心にある巨大ブラックホールは直径が約400億km、私たちの天の川銀河中心の巨大ブラックホール、いて座A*は直径約2400万kmであることがわかっています。今のところはっきりと大きさがわかっているものはこの二つだけです。

 

Q.ながれ星はなぜながれるの? ほしはなにでできているの? ほしはなぜひかっているの?(9歳女の子)
 ながれぼしは、はるなつあきふゆのいつにくるの? ながれぼしは、どこからくるの? ながれぼしを、つくっているのはだれ?(7歳女の子)
 ながれ星はなんでながれるんですか?いつながれ星を見ることができますか?(9歳女の子)
 ほしは、なんでかってにひかっているのですか?(6歳男の子)
A.流れ星の正体は宇宙に浮かぶ数ミリ〜数センチくらいのチリです(流星物質といいます)。これが地球に飛び込んでくるとき、空気と激しくぶつかり、熱くなってまわりの空気を光らせます。このようすを地上から見ているのが流れ星です。空に見えている星座の星たちが落ちてきているわけではありません。春夏秋冬の季節を問わず、いつでも見られますが、ひと晩でたくさん流れ星を見られる「流星群」のときが見やすいです。流れ星を誰かが作っているわけではないのですが、流れ星のもとになるチリをたくさんまき散らしていくのは彗星です。彗星は氷のかたまりでできていて、中にたくさんのチリを含んでいます。彗星が太陽の近くを通ると溶けてこのチリが彗星の通ったあとに残ります。ここに地球がさしかかるとたくさんのチリが地球に降り注ぎ流星群になります。今年見やすい流星群は8月13〜14日のペルセウス座流星群や12月14〜15日のふたご座流星群などです。
こんなふうに流れ星はチリでできていますが、ほかの星、例えば太陽系の惑星たちのうち、水星〜火星(地球も含めて)は岩石でできています。木星から先の惑星たちは水素やヘリウムなどのガスでできています。太陽も同じく水素やヘリウムなどのガスでできています。星座の星たちも太陽と同じ種類の星なので、やはり水素やヘリウムなどのガスでできています。
月や惑星たちは自分自身では光を出していません。太陽に照らされ、太陽の光をはね返しているので光っているように見えます。太陽は真ん中で「核融合反応」が起きて莫大なエネルギーが生み出され、自ら光ります。太陽のような星を恒星といい、星座の星はみな恒星なので、同じしくみで光っています。

 

Q.なんで昔の人は星のことを星座にしたのですか(6歳男の子)
 だれが「星座」というのを作ったのですか(9歳女の子)
A.昔の人も、星空をながめるうちに、時間がたつと星が動いていったり、季節によって見えている星が違うことに気づきました。季節や時間を知り、暦(カレンダー)を作ることは、種まきや刈り入れ、漁に出る時期を知り、生活していく上でとても重要です。昔の人は太陽や月、星を観察して季節や時間を知ったのです。また、星を観察すれば方角や今いる場所についても知ることができます。季節や時間、方角の手がかりとする上で、目立つ形に星が並んでいる部分を覚えておいた方が便利です。おそらくそういう理由で星座を作り始めたのでしょう。なので、最初に作ったのがだれ、というのははっきりしていません。今ある88の星座のルーツは紀元前5世紀ごろに現在のイラクのあたりに暮らしていた人々が作ったのではと考えられています。

 

Q.宇宙はどのくらいかいめいされていますか(8歳男の子)
A.ほとんど解明されていません。宇宙の中で、私たちに見えている(わかっている)部分はほんの5%くらいといわれています。残りは、それがないと宇宙が成り立たないはずなのでたぶんあるだろう、と考えられているものの、見えない(観測できない)暗黒物質(ダークマター)やダークエネルギーでできているといいます。その割合はダークマターが26.8%、ダークエネルギーが68.3%といわれているので、ほとんどわかっていないのです。

 

Q.どせいはどこですか?(見えなくなるのはなぜ?)(5歳男の子)
A.今年の1月はじめごろまではまだ夕方西の空に見えていた土星。今は見えなくなってしまいましたね。太陽に近づいてしまったため、昼間に昇っているので見えないのです。地球も土星も太陽のまわりを回っているので、位置関係が常に変わり、見えなくなる時もあります。2月17日に地球から見て太陽の向こう側に一直線上に並びました(合といいます)。8月28日に地球から見て太陽と真反対側にやってくる(衝といいます)頃にはひと晩中見ることができます。

 

Q.どうやって番組を決めているんですか?(10歳男の子)
A.前の年の終わり頃から、来年1年間どんな天文現象や宇宙開発、宇宙探査などがあるかを参考にしつつ、星や星座の物語なども織り交ぜられるようにしながら番組を決めています。急な出来事(新しい発見など)があった場合はそれに合わせて話題を差し替えることもあります。また、10・11月はこれまで投映してきた番組でもう一度見たいものに投票してもらい、人気のあったものを再投映する「久喜プラネタリウム総選挙!」なども行っています(ここ数年はコロナ禍で投票が行えませんでした)。

 

Q.どんな、ぼうえんきょうをかったら、星が見えますか(7歳女の子)
A.どのくらい真剣に見たいか、にもよりますが、きちんと星が見えて、長く使えるものとなるとしっかりした望遠鏡の方がおすすめです。
・望遠鏡をのせる三脚がしっかりしていて安定しているもの。
・初めての人に向いている三脚は、カメラ三脚などと同じたてよこに動かせる経緯台で、微動(ちょっとずつ動かせる)がついているもの。
 ※望遠鏡で拡大されて見える範囲はとてもせまいので、ちょっと動かしただけでも星が大きく動いて見失ってしまう。
 ※星の動きを追いかけてくれる三脚もある。赤道儀という。望遠鏡で写真を撮りたい場合はこれが必要。
・望遠鏡は大きく分けると星の光を集めるのにレンズを使う「屈折式」と、鏡を使う「反射式」の2種類がある。「反射式」は鏡のズレを調整したりするのが難しいので初めての人は「屈折式」がおすすめ。
・光を集めるレンズ(対物レンズ)の大きさ(口径)が大きければ大きいほどよく見える。ただし大きいほどお値段が高くなるので、おサイフと相談しよう。
通販や新聞広告などで見かける数千円〜1万円といった望遠鏡はあまり良いものではなく、三脚も弱々しいのでガタガタしてしまい、星をとらえにくく、またとらえても落ち着いて見続けられないのであまりおすすめはできません。
まだ望遠鏡になれていないなら、望遠鏡を工作できるキットなどもお求めやすい値段で売られています。自分で組み立てると望遠鏡のしくみもわかるので、手始めにこういうもので見やすい月などをながめるところからはじめるのもいいかもしれませんね。

 

Q.天体望遠鏡で土星の環を見るのに適した口径、倍率は最低でどの位からかな?(65歳男性)
A.「最低で」ということではありますが、環を見るのに「適した」というところで、ある程度しっかりと見える、と解釈すると倍率は100倍以上はあったほうが良さそうです。望遠鏡の性能は口径で決まり、口径をミリであらわした数値の約2倍くらいまでがその望遠鏡でかけられる最高倍率といわれ、それ以上は倍率を上げても像が暗くぼやけてしまいます。つまり最低、口径が50ミリあると倍率100倍まではいけるということです。もちろん、余裕を持ちそれ以上口径があった方がより倍率をかけ拡大した姿を観察することができます。

 

Q.シリウスがいちばん輝いているようにみえますが、いちばん地球に近い星について教えて下さい。シリウスは“惑星のどれの近く”などと表現するとしたら、どのあたりですか?(年齢不明女性)
A.いちばん地球に近い星は…月です。約38万kmのところにあります。いちばん地球に近い恒星、の場合はケンタウルス座にあるプロキシマ・ケンタウリで、約4.2光年(光の速さ(秒速約30万km)で4年とちょっとかかる距離)離れたところにあり、まわりを回る惑星もいくつか発見されています。シリウスはその倍くらい、地球から約8.6光年離れた場所にあります。地球からいちばん遠い惑星である海王星でも、遠い時で約47億kmですから、“惑星のどれの近く”と表現するのはちょっと難しいですね。

 

【2023年3月20日更新分】

Q.宇宙ステーションの中で使った水はどうするの?トイレはどうするの?(不明)
A.まず、みなさんが思い描いているような形での「使った水」はほぼ出ません。宇宙では水が貴重なこと、また飛び散った水は水玉となりいつまでもただよい続け回収困難、機器故障の原因にもなることから、国際宇宙ステーションではお風呂に入ったりシャワーを使ったりすることはありません。顔も体もウェットティッシュみたいなもので拭き、歯磨き後のうがい水も最小限を飲み込むか、タオルに吐き出して染みさせます。食事はレトルトとかチューブとか、缶詰とかなので洗い物もしません。洗濯もしません。出たゴミや洗濯物は定期的にやってくる補給船が空になったところへ詰め込んで大気圏に突入させ燃やしてしまいます。そういうわけで「使った水」はほぼ出ないのです。
トイレは、小さい方はホース状のものをナニにあて、掃除機のように吸い取ります。大きい方は便座っぽいものに座り、やはり吸い取られるしくみです。大きい方は便座の下がタンクになっていて、溜まったらこれも大気圏に突入させ燃やします。小さい方は…?水再生システム(Water Recovery System:WRS)に送られ、国際宇宙ステーション内部の空気から除湿時に回収した水と共にリサイクルされ、なんと…飲み水になります!お○っこ飲んじゃって大丈夫なの?!と思ってしまいますが、ちゃんと濾過・消毒殺菌されているので問題ないのだそうですよ。

 

Q.1等星と他の星はなぜかがやき具合がちがうのか(14歳女の子)
A.「かがやき具合」というのは星の明るさのことでしょうか、それともチカチカと見える「またたき」のことでしょうか…?星の光は空気の層を通って私たちの目に届いています。空気は、温度の違いや風が吹いたりすることで、その差はわずかですが濃いところと薄いところができます。空気の濃さによって光の屈折率(まがり具合)が変わるので、星の見える位置は常にズレています。星座の星は距離が遠く点光源なのでこのズレがよりわかりやすくなります。ゆらゆら揺れる水槽の水を通して懐中電灯の光を見ているようなものと思えばいいでしょう。これが星のまたたきです。1等星は明るいので、他の星よりまたたきがはっきりわかるため、かがやき具合がちがうように見えます。1等星が他の星より明るいのは、もともとその星が明るいか、もしくは地球から近いからです。どんなに明るい星でも、うんと遠くにあれば暗くなってしまいますね。星座の星で最も明るいおおいぬ座のシリウスも、実は星そのものは特別明るいわけではなく、地球から8.6光年と割と近いところにあるので明るく見えているだけなのです。

 

Q.日没が一番早いのは、12月上旬(16:30ごろ)で、日の出が一番遅いのは1月上旬(6:50ごろ)ですが、どうして冬至の日ではないのだろうか?冬至の日が、昼間が一番みじかい日であるならば、日の出がもっともおそく、日没がもっとも早いのが冬至の日になるのではないでしょうか。(68歳男性)
A.ごもっともな疑問です。同じ質問を時々受けます。実は以前、「ほしぞら質問箱」の投映の中でも取り上げてお答えしたことがあります。毎日同じ時刻の太陽の位置をたどっていくと、8の字形の軌跡を描きます。これをアナレンマといい、このズレがあるために日の出がもっともおそく、日没がもっとも早いのが冬至の日にはなりません。その要因は地球が楕円運動していることと、地球の自転軸が公転面に垂直でなく、約23.4°の傾きを持っていることから来ているのですが、ちょっとこちらでひと口に説明するのは難しく…直接お尋ねいただけましたら以前の番組の画面をお見せしながらご説明できると思います。またかなりややこしいので参考になるかどうかはわかりませんが、こちらのページもご覧になってみてください。
→https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FA5A2A5CAA5ECA5F3A5DE.html
→https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/wiki/C6FCA4CEBDD0C6FEA4EAA4C8C6EEC3E62FC6EEC3E6BBFEB9EFA4CFCAD1B2BDA4B9A4EB.html

 

Q.うちゅうのはてはどうなっている(7歳男の子)
A.宇宙には、果て(はしっこ)がないと考えられています。宇宙を地球に例えてみるとわかりやすいです。地球上のわたしたちの世界はあくまで地表の上です。では、世界の果てはどこ?と聞かれたらなんと答えますか?丸い地球の上ではぐるっとまわってきたらもとのところへ戻ってきてしまいます。つまり世界の果てはありません。宇宙も似たようなつくりをしていると考えられているため、果てというものがないのです。

 

Q.アインシュタイン、ガリレオ等の世界の偉人は、天文の中で何を見つけてきたのでしょうか(6歳女の子)
A.6歳とは思えぬ質問ですね。びっくりしました。ごく簡単にお答えすると…
アインシュタインは天文学者というわけではなく理論物理学者でしたが、アインシュタインの考えた特殊相対性理論や一般相対性理論は宇宙を理解する上でとても重要な役割を果たしています。光が強い重力で曲げられることやブラックホール、重力波の存在、宇宙が膨張していることを予言しました。これらはみな、後の天文学的観測により正しかったことが確かめられています。
ガリレオは天体観測に望遠鏡をもっとも早くから取り入れた一人でした。それ以前、人々は宇宙の星々はすべて地球を中心に回っているという間違った考え方をしていました(天動説)。ガリレオは望遠鏡でのぞいた木星のまわりを衛星が回っている様子など、実際の観測に基づいて天動説が間違っていることを確かめ、地球も他の惑星も太陽のまわりを回っているのだという地動説を唱えました。

 

Q.太陽の光のあたっていない星はどのようにみつけられるのですか 銀河系以外の星はどのように観そくするのですか(3歳男の子)
A.これまた、3歳とは思えないご質問…(^_^;)
太陽系の中でいうと、遠くて温度の低い天体でも、電波望遠鏡を使うと調べることができそうです(あまりそのような使い方はされていませんが…)。またどこか遠くのよその太陽系にある惑星(系外惑星)なども、光ってはいませんが、その惑星がよその太陽の手前を横切る時、一瞬暗くなる様子からその存在を見つけ出すやり方もあります(トランジット法)。
銀河系以外の星は遠いので、発せられる光や電波も弱く、なるべく大きな望遠鏡を使って長い時間をかけて写真を撮ったり、赤外線など遠くの天体を見るのに向いている波長で観測したりします。

 

Q.なんでうつすのをプラネタリウムというのですか? ほしのおもみは何キロか 1才のほしはあるのか なんでオリオンはいじわるなのか なんで冬のせいざは、みなみにあるのか(8歳女の子)
A.いろいろ聞きたいことがありましたね…ひとつずついきましょう。
プラネタリウムとは、プラネット(英語で惑星という意味)という言葉から作られた名前です。初めの頃は太陽系の惑星の動きをあらわす機械だったのが、星座の星も扱うようになっていきました。
例えば地球の重さですが、キログラムで表すとするとだいたい6杼(じょ、兆、京、垓…のさらに上の単位です)kgくらいになります。太陽の重さは地球の約33万倍です。もっと重い星もあれば、軽い星もあります。星によって重さはいろいろです。
生まれて1年たった星、という意味でよければ、1才の星はたぶんあちこちにあります。地球も約46億年前に誕生してから1年後には1才でした。
オリオンはギリシア神話の中では乱暴者として描かれる場合もあります。強かったり、海の神ポセイドンの子だったりするのでちょっとイキってたんじゃあないでしょうか。
冬の星座もいつも南にあるわけではありません。昇ってくるときは東に、沈むときには西にあります。プラネタリウムではその季節の星座が見やすい場所にある時間帯を選んでいるので、座席が向いている正面、南の空でお話しすることが多いのです。

 

Q.なぜ冬の星座には明るい星が多いのか? なぜ月面への着陸を簡単にできないのか ガス等でできている惑星(木星など)は形をかえる(将来変わる)ことはないのか? ブラックホールに裏側というのはあるのでしょうか?(不明男性)
A.こちらもいろいろ質問が…ひとつずついきましょう。
冬の星座に明るい星が多いのは、まずそもそも夏と冬の空に見える星が多いためです。私たちの地球は、天の川銀河という星の集まりの中にあります。天の川銀河には2千億もの星が巨大な渦巻き状に集まっていて、その幅は約10万光年にもなりますが、厚みは最も星が集まっている中心部でも1万5000光年ほどです。つまり横から見ると平たい姿をしています。このため地球から見て天の川銀河の平たい面に沿った方向にはたくさんの星があり、平たい面に垂直な方向にはあまり星がありません。この垂直な方向に見えているのが春と秋の星、平たい面に沿ったたくさんの星がある方向に見えているのが夏と冬の星なのです。あとは偶然の要素、たまたまです。シリウスのように地球から約8.6光年とたまたま近かったり、ベテルギウスのように距離は遠くても絶対等級(距離に左右されないその星本来の明るさ)が-5.7等級とたまたま明るい星だったりした、という例がたまたま多かったということです。銀河中心方向を向いている夏の空の方が星の数は多いですが、1等星は4つ。冬の空は7つです。
月面への着陸ですが、簡単ではない理由としては費用面が大きいのではと思います。かつてアメリカはアポロ計画で6回の月面着陸を果たしましたが、計画全体にかかった費用は当時で200〜254億ドルとも言われています。50年以上も前にできたことなので技術的にはそこまで難しくはないのかもしれませんが、こと有人で、となると、安全面等様々な問題をクリアする必要もあるでしょう。
ガス惑星の形ですが、星はある程度の質量があれば、例え岩石でできていても重力で自然と球形になります。ガス惑星は質量が大きく、ガスでできているので形が変わることはないだろうと思います。
ブラックホールには表も裏もありません。ホワイトホール?的なものをお考えであれば、今わかっている限りでは、そういうものはないかもしれません。理論的な予想は試みられていますが確証がなく、観測的にも実証されていません。

 

Q.ブラックホールについてしりたいです。つきについてしりたいです(5歳男の子)
A.ごめんなさい質問の範囲が広すぎて、ここでは答えきれません。ブラックホールや月についてほかにもいろいろな質問にお答えしているので、まずはそれを読んでみてください。ブラックホールや月についてどんなことが知りたいのか思いついたらまたきいてくださいね。

 

Q.どうしてブラックホールがあるんですか。(不明)
A.星が死んでしまったからです。太陽の30倍以上重さのある星が一生の終わりに大爆発(超新星爆発)を起こすと、あとに残った核の収縮(縮むこと)が止まらず永久に縮み続け、ブラックホールができます。

 

Q.ブラックホールは小さいのになぜ引力(重力)が強いのか?(5歳男の子)
A.かんたんに言うと、もともと大きくて重たい星が縮んだものだからです。星の表面の重力は、星の重さ(質量)が重たければ重たいほど強くなります。むずかしい言葉では星の質量に比例する、と言います。また、星の表面の重力は、星の大きさの二乗に反比例します。これはかんたんに言うと小さければ小さいほど重力が強くなるということです。もともと小さくて軽い星ということではなく、ある程度重さのある星、例えば太陽を、実際にそんなことはできませんが仮にギュッと縮めて直径6kmにしたらブラックホールになります。ひとつ前の質問でお答えした通り、太陽の30倍以上重さのある星が死んでしまうときには実際にこの「ギュッと縮めて」が起きているのです。その星から飛び出して行くために必要な速さを「脱出速度」といいますが、ギュッと縮んで表面の重力が強くなり、脱出速度が光の速さ(秒速30万km)を超えてしまっているのがブラックホールです。この世に光より速いものはないので、ブラックホールからはどんなものも出てこられません。

 

Q.ブラックホールは、なにいろですか?せまいですか?くらいですか?(7歳女の子)
A.なんだか高○留美子先生作品のキャラを彷彿とさせるような質問ですね(7歳の女の子が知っているとは思えませんが^_^;)。
私たちはものが出している光、またはものに当たってはね返されてきた光を見て、そのものが何色かがわかります。前の質問でお答えした通り、ブラックホールからは光ですら出てこられない、つまり光っていません。なのでブラックホールは黒く見える、というのが、難しいお話になりますがこれまでの一般相対性理論に基づく考え方でした。しかしここに量子力学に基づいた考え方を付け加えていくと、実はブラックホールからもごくわずかですが光の粒(光子)が出ているといいます(有名なスティーブン・ホーキング博士が唱えたのでホーキング放射(輻射)といいます)。本当にごくごくわずかしか出ていないので、色がわかるほどではなく、結局黒く見えそうですが…
これまでの一般相対性理論の考え方では、ブラックホール中心には特異点と呼ばれる時空の曲がりなどが無限大になる点があり、その重力に引かれて光すら出て来られなくなる範囲がブラックホール、その境目を事象の地平面(イベントホライズン)と呼んでいました。しかし量子力学の考え方ではブラックホールは特異点やイベントホライズンはなく、中身がぎゅうぎゅうに詰まった状態でつぶれ続け、ホーキング放射によりじわじわ蒸発してやがては消えてなくなる…という説もあるようです。
7歳さんにはちょっと難しいですね。大人の私でも難しいです。そういうことなので、質問の部分にお答えすると、せまいか?と言われると、特異点についてはこれ以上せまいところはこの世にないくらいでしょう。ブラックホールとして考えると、恒星J05215658の隣に発見されたこれまで見つかっている中で一番小さいとされているブラックホールはイベントホライズンの直径が19kmほどと考えられています。…けっこう広いんですね。量子力学に基けば中が詰まっているので空間的にせまいと表現していいかはわかりませんが…。くらいか?については…外から見たブラックホールは暗いということで間違いないでしょう。光は出てこないか、もしくはとてもほんの少ししか出ていないので。中はどうなのか?出られなくなった光があふれる世界なのか?ぎゅうぎゅうに詰まっているからそもそも入れないのか?いろいろな説があり、本当に入ったことがある人はいないので誰にもわからないのです。

 

今回はすべてお答えできました!

たくさんのご質問ありがとうございました!

2023「ほしぞら質問箱」お答え!

備考

すべての質問にお答えすることはできませんので予めご了承ください。

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