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2024年3月4日(月) 〜

2024「ほしぞら質問箱」お答え!

1・2月の投映をご覧のみなさまから、たくさんのご質問をいただきました。ありがとうございました!

3月投映番組「ほしぞら質問箱Vol.14」と星空だより紙面上でお答えしきれない質問に、このコーナーで「できるだけ?!」お答えしていきます。

お心当たりの方は自分の質問がないか探してみてください!

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しつもん・おこたえ

※なるべくたくさんの質問にこたえられるようがんばりますが、すべての質問におこたえすることはできませんのであらかじめご了承ください。

※更新日ごとにブロック分けしてあります。一度に全部お答えできず申し訳ありません。

※下に行くほど新しく掲載された質問です。掲載期間中は古い質問も削除はしませんのでご安心ください。

※担当者の時間の許す限りお答えしていきます。自分の質問がまだだなあという方、気長にお待ちいただければ幸いです。

【2024年3月4日更新分】

Q.ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡がファーストスターを探しているそうですが、どのように探すのですか?偶然見つけるのか、それとも存在しそうな場所の見当がついているのか知りたいです(37歳 男性)
A.宇宙誕生後、最初に生まれたとされる星・ファーストスター。見つけるためにはそもそもどこを探すべきか、ということ自体が大きな課題でした。ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のように直接その姿を観測しようとする場合、できるだけ遠くを探す方が見つかる確率が上がります。遠くの天体ほど、地球に光が届くのに時間がかかっているため、より昔の姿を見られるからです。そのためには、
・天の川(銀河)の星々に邪魔されない、なるべく星が少なく遠くを見通しやすい春や秋の空を観測する
・銀河団などがもたらす重力レンズ効果で、より遠くの天体が見えている場所を観測する
などが考えられるでしょう。また、単独で発見するのは難しそうなので、
・年代の古い銀河や星団など、古い星がたくさん集まっていそうな場所を観測する
というのもひとつの方法です。
また、近く(例えば銀河系内)にもファーストスターが存在する可能性もあり、宇宙初期には水素やヘリウムなどの軽い元素しか存在していなかったと考えられているので、こういった軽い元素で構成されている星を探したり、ファーストスターが起こした超新星爆発の残骸からファーストスターの痕跡を探ったりもしています。この広い宇宙、闇雲に探しているわけではないようです。

 

Q.ほしくんに兄弟はいますか?
  惑星のナンバーワンはどれ?
(年齢不詳 男性)

A.ほしくんに兄弟…はいないですが、仲間はいます。こちらをご参照ください。
惑星のナンバーワンは、何を基準にするかで違ってきそうですね。太陽系の惑星で言えば、大きさナンバーワンは間違いなく木星で、直径は地球の11倍もあります。しかし立派な環っかナンバーワンは文句なしで土星でしょうし、何と言っても住みやすさナンバーワンは地球ではないでしょうか。

 

Q.たのしかったです。星座と絵がマッチしないのはナゼ?(10歳 男の子)
A.ホントですよね。りょうけん座なんてただの棒です…なんていうネタでお話をされるプラネタリウムの解説員さんもいるくらいですが…。星座というのは、昔の人が星を時刻や方角、季節を知るための目印として使うために、覚えやすいように考えたのだろうと思います。たまたまいい位置に星が並んでいて、結んだらうまいこと形ができた、という星座もあれば、星がなくてどうにもそれっぽい形にできず、ただの棒になっちゃった星座もあったのでしょう。でも「ただの棒座」ではどれも一緒になってしまうし覚えられません。少しでも印象に残るようにイメージを膨らませて、人や動物や道具などの姿を当てはめたのではないでしょうか。

 

Q.星のような光りかたで動いている物をたまに見かけます。人工衛星かと思うのですが、どこが光ってるのでしょうか(53歳 男性)
A.おそらく人工衛星です。人工衛星そのもの、全体が太陽の光を浴びて光っています。人工衛星自体が光を出しているわけではなく、月や惑星と同じで太陽光の反射光です。夕方日の入り後や夜明け前などは多く見られます。

 

Q.ブラックホールは、にくがんとか、ぼうえんきょうで見れますか?(8歳 女の子)

  地球からブラックホールって見えるの?(8歳 女の子)
A.ブラックホールは限りなく小さく、強い重力を持つ天体で、光すら吸い込まれると出てこられません。光を発していないので、肉眼やふつうの望遠鏡で見ることはできません。ブラックホールそのものではなく、ブラックホールシャドウと呼ばれるブラックホールのまわりの影のようなものは、世界中の電波望遠鏡をつないで、地球と同じサイズの巨大電波望遠鏡として使った“イベント・ホライズン・テレスコープ”によってようやくとらえることができました。人間の平均的な視力は1.5くらいでしょうか。しかしこの望遠鏡の視力はなんと300万もあります。詳しいお話は令和4年度の2月番組「銀河中心のブラックホールがこんなに見えるわけがない」で取り上げていますので、見てみたい場合は久喜プラネタリウム総選挙で投票してみてください。

 

Q.プラネタリウムがこわれてしまったら閉館になってしまうのですか?すごく心配です!!デジタルに更新してほしいです。(53歳 男性)
A.ご心配ありがとうございます。プラネタリウム投影機本体が壊れてしまっても、職員が手作りで作ったデジタル投影機があるので即閉館にはなりませんが、新しいものに変えられれば安心です。皆さまからのお声が市に届けばご検討頂けるかもしれませんね。デジタルもいいですが、個人的には光学式の投影機で映し出す星空も捨てがたいです。今の機械にもできるだけがんばってもらいたいと思います。

 

Q.太陽は、どのくらいの温度ですか(9歳 女の子)
A.太陽の中心部分では核融合反応が起きていて、1500万℃くらいあります。表面は6000℃くらいですが、さらに外側の太陽の大気・コロナは100万℃以上で、どうしてより中心から離れたコロナの方が表面より温度が高いのかは謎とされています。

 

Q.てんのう星はわっかがあるんですか(9歳 女の子)
A.あります。現在13本の環(わ)が確認されています。一番外側の環の直径は19万kmくらいで、ひとつひとつの環の幅はほとんどが数km〜数十kmです。おそらくかつて天王星のまわりを回っていた衛星が砕けた細かいチリでできていると考えられています。

 

Q.冬の大三角けいをつないでいるほしはなにですか(9歳 男の子)
A.オリオン座の1等星ベテルギウス、おおいぬ座の1等星シリウス、こいぬ座の1等星プロキオンです。ベテルギウスは赤い色が特徴、シリウスは−1.46等級と星座の星では一番明るい星です。いずれも明るく、町なかでも見つけやすいので探してみましょう。

 

Q.どうやってせいざの名前をおぼえたでしょうか(8歳 男の子)
A.私の場合、好きで、ということになるでしょうか。星座の写真を撮りたくて、実際に空で星座を結びながらいつの間にか覚えていました。本物の星を見ながら覚えるのが一番良いと思います。

 

Q.なんでうごかない星が一つあるの(9歳 女の子)

  北極星が動かない理由を教えて下さい(51歳 男性)
A.夜空の星は、地球が北極点と南極点を結ぶ軸(地軸)を中心に回っているため、見かけ上動いていくように見えます。北極星は北極点のま上、地軸を伸ばした先の天の北極にあります。地球の回転軸のま上にあるため、見かけ上、止まって見えます。図も参考にしてみて下さい。ただし、厳密にいうと天の北極からは約1°ほど離れているため全く動かないわけではなく、実際には北極星も満月3個分程の大きさの円を描いて動いています。

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Q.なんで時間がたってから月と木星はなれるの(9歳 女の子)
A.月も木星も動いているからです。夜空の星が東から昇り西に沈んでいくのは、ひとつ前の質問の答えの通り地球が回っているからで、夜空の星が動いているわけではありません。あくまで見かけ上の動きです。ところが月は地球のまわりを回っていて、木星は太陽のまわりを回っているので、星座の星の中を動いていきます。月の場合は1日で約12°ずつ東に動いています。地球に一番近い月の動きは木星などに比べ大きいので、主に月の動きによって月と木星が離れていきます。実際には星座の星もそれぞれ動いているのですが、あまりに遠いので、何千年何万年とたたないと動いていることがわかりません。だるまさんがころんだを思い浮かべましょう。オニの近くの人が動けばはっきりわかりますが、うんと遠くの人が動いてもわかりにくいでしょう。それと同じです。

 

Q.はやぶさ2からわかった事が知りたいです(59歳 男性)
A.JAXAの小惑星探査機はやぶさ2は、小惑星リュウグウを訪れ、元になった母天体が別の天体とぶつかって破壊され、その破片が再び集まってできたラブルパイル天体であるらしいことをつきとめました。またリュウグウからおよそ5.4gの砂を持ち帰りました。砂の一部を分析した結果、生物を形作るタンパク質の材料となるアミノ酸数十種類や、炭酸水などが見つかっています。地球の生命の源は小惑星からやってきたのではないかという考えを裏付けることができるか、現在も研究が続いています。詳しいお話は令和5年度の4月番組「リュウグウの砂」で取り上げていますので、見てみたい場合は久喜プラネタリウム総選挙で投票してみてください。

 

【2024年3月6日更新分】

Q.せいざは何こぐらいありますか?(9歳 女の子)

  せいざは、なんしゅるいあるんですか?(9歳 女の子)

  せいざはどんなのかしりたい(6歳 女の子)
A.88個です。昔はもっとたくさんあり、多すぎて困っていたので1922年に国際天文学連合で88にまとめられました。1928年には北天に星座ごとの境界線が決められ、1930年には南天にも境界線が引かれ、それぞれの星座の範囲がきちんと決まりました。こうしてすべての星は必ず星座のどれかに所属することになりました。どんなのか、は一口には説明できないので、星座の本やプラネタリウムで少しずつ覚えていくといいでしょう。名前だけあげておくと、
アンドロメダ座、いっかくじゅう座、いて座、いるか座、インディアン座、うお座、うさぎ座、うしかい座、うみへび座、エリダヌス座、おうし座、おおいぬ座、おおかみ座、おおぐま座、おとめ座、おひつじ座、オリオン座、がか座、カシオペヤ座、かじき座、かに座、かみのけ座、カメレオン座、からす座、かんむり座、きょしちょう座、ぎょしゃ座、きりん座、くじゃく座、くじら座、ケフェウス座、ケンタウルス座、けんびきょう座、こいぬ座、こうま座、こぎつね座、こぐま座、こじし座、コップ座、こと座、コンパス座、さいだん座、さそり座、さんかく座、しし座、じょうぎ座、たて座、ちょうこくぐ座、ちょうこくしつ座、つる座、テーブルさん座、てんびん座、とかげ座、とけい座、とびうお座、とも座、はえ座、はくちょう座、はちぶんぎ座、はと座、ふうちょう座、ふたご座、ペガスス座、へび座、へびつかい座、ヘルクレス座、ペルセウス座、ほ座、ぼうえんきょう座、ほうおう座、ポンプ座、みずがめ座、みずへび座、みなみじゅうじ座、みなみのうお座、みなみのかんむり座、みなみのさんかく座、や座、やぎ座、やまねこ座、らしんばん座、りゅう座、りゅうこつ座、りょうけん座、レチクル座、ろ座、ろくぶんぎ座、わし座
です。

 

Q.星座の線のつなぎ方には、決まりとか基準があるのでしょうか?星座早見によって多少違うようですが(69歳 男性)
A.特に決まりはありません。前の質問の回答の通り、星座ごとに境界線は引かれ、領域(範囲)は決まっているのですが、つなぎ方については特に制定されていません。昔から使われてきたつなぎ方に沿った方が共通認識としてわかりやすくなるので、どの星座早見や星図でも大体は同じようなつなぎ方になります。ただどうしてもこう、と決まっているわけではありませんから色々なつなぎ方を自由に考えてみるのもおもしろいでしょう。

 

Q.久喜では、カノープスは見れますか?(47.5歳 男性)
A.見られます。実際に市内で何度も肉眼で見た事があります。具体的な場所はこちらでおしらせできませんが、南側がよく開けていれば平地からでも見えます。高い建物の上ならより見つけやすいでしょう。ただし危険な場所や入ってはいけない場所には立ち入らないようにし、他の方にご迷惑にならないよう気をつけましょう。2月中旬なら午後8時半頃、3月初旬は午後7時頃に南中(ま南に最も高く昇る)します。南の海上まで雲のないよく晴れた日がチャンス。双眼鏡があるとより見つけやすいです。

 

Q.ほしはさわれますか(6歳 女の子)
A.とりあえず地面をさわってみましょう。地球も星(惑星)なので、一応星をさわったことになります。月や火星などでは空気がないので宇宙服を着ていないと死んでしまいます。宇宙服の手袋越しならさわれるでしょう。金星はかたい地面がある星ですが、気温が460℃もあったり、気圧が90気圧(人間はつぶれてしまうくらいの圧力です)もあったりするのでさわりに行くことが難しそうです。木星から海王星までの太陽系の惑星はみなガスでできているので、霧をさわっているような感じで、さわった感じがしないでしょう。太陽もガスでできている上、表面が6000℃もあり、やけどではすまないと思うのでさわらない方が良いでしょう。実は星座の星もみな太陽と同じ種類の、自分で光っている星(恒星といいます)なので、残念ですが星座の星はさわれそうにありません。

 

Q.彗星の軌道(不明)
A.彗星の軌道には、楕円軌道、放物線軌道、双曲線軌道などがあります。楕円軌道の彗星は長い楕円を描いて太陽を回っているので、期間に差はありますが繰り返し太陽に近づきます。公転周期が200年以内のものを「短周期彗星」、それよりも長いものを「長周期彗星」と呼んでいて、短周期彗星の中には繰り返し見られるものもあります。放物線軌道や双曲線軌道をとる彗星はひとたび太陽に近づくと、それきり二度と近づくことはありません。見られるチャンスは一度きりです。

 

Q.「月面X」以外に月に出る文字は何がありますか?(40代 男性)
A.「月面LOVE」というのがあります。月面Xと同じく上弦の頃の月の欠けぎわに、「L」「O」「V」「E」っぽい文字が浮かび上がるように見えます。また、「S」のように見える部分も見つかっており、これも合わせて「月面LOVES」と呼ばれたりもしているようです。インターネットで「月面LOVE」で検索すると写真が見られますよ。

 

Q.スーパームーンのしくみ(不明)
A.「スーパームーン」は最近になってできた呼び名で、正式な天文用語でもなく、定義も曖昧ですが、ざっくり言ってしまうと今年一番大きく見える満月のことです。月は地球のまわりを回っていますが、きれいな円を描いて回っているわけではなく、大げさに書くと図のような楕円を描いています。こうなると月と地球の距離は一定ではなく、変化することがわかります。月が近ければ大きく、遠ければ小さく見えるでしょう。その年の満月のうち、一番距離が近く、大きく見えるのがスーパームーンです。

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Q.世界の星空(不明)
A.観察地点による星空の違いについてお聞きになりたいということでしょうか?それとも、国による星座の違いでしょうか?仮に前者と判断してお答えします。北半球では、日本と緯度がさほど変わらなければ見える星空にほとんど違いはありません。北極点では天頂に北極星があり、そこを中心に星が動いているように見えるので、すべての星はま横に動き、昇ることも沈むこともありません。赤道上では星が地平線に対し垂直に昇り、垂直に沈みます。赤道を越えるあたりから北極星は見えなくなり、日本では見られない南半球の星座がよく見えるようになってゆきます。南極点に立つと、頭上に南極星はありませんが北極点と同様すべての星は昇らず沈まずになります。このように緯度方向(南北方向)に移動すると星空の見え方に違いが現れます。詳しいお話は平成20年度5月番組「世界ほしぞら紀行」で取り上げていますので、見てみたい場合は久喜プラネタリウム総選挙で投票してみてください。また、今年の5月番組では南極点から見た星空を取り上げる予定があります。ぜひご覧ください。

 

Q.昼でも月が見えることがあるのはなぜ?

  上弦の月、下弦の月が説明しても分からない(6歳 男の子)
A.実は月以外の星たち(惑星や星座の星など)も、昼間でも空に光ってはいるのですが、それ以上に桁外れに明るい太陽が空全体を明るくしてしまっているので光が打ち消されてしまい見えません。しかし月は他の星たちに比べとても地球に近い(約38万km)ので、面積も大きく、昼間の空の明るさに負けないくらい明るい(満月の時で約−13等級)ため昼間でも見えるのです。他にも惑星の中でも特に明るい金星は、最大光度を迎えると−4.7等級くらいになり、空気が澄んでいるなど条件さえ揃えば昼間でも見ることができます。
  上弦の月、下弦の月は、見分け方が分からない、ということでしょうか?日本では、形が弓に似ていることから、半月を「弦月」とも呼びます。江戸時代まで使われていたカレンダーは月を基準に作られていました。新月から次の新月までが29.5日くらいなので、新月をついたち(つきたち)、三日が三日月…というように月の満ち欠けに合わせてカレンダーを作ると、必ず7日が上弦の月になります。1ヶ月のうちの上旬に見える弦月、という意味で「上弦の月」の呼び名ができました(下弦の月も同様、下旬に見える弦月)。現在は太陽を基準としたカレンダーに変わってしまい、月の上旬に必ず上弦の月が見えるわけではなくなりました。南の空に見えている時、向かって右、西側が太陽の光を受け光っているのが上弦の月、または西に沈む時、まっすぐな欠けぎわの部分(弓でいう弦にあたる部分)が上向きで沈んでいくのが上弦の月、などと見分けてもらえるといいかなと思います。

 

【2024年3月13日更新分】

Q.月と火星はどっちが住みやすいの?(8歳 女の子)
A.まずは地球からの距離を考えてみましょう。月までの距離は平均で約38万km。人類が初めて月に降り立った、1969年のアポロ11号の時は、月まで4日とちょっとかかっています。火星までの距離は平均では2億3千万km弱ですが、最も近くなるタイミングでは5,500万km前後、最も遠い時は4億km以上とだいぶ違いがあります。地球と火星は2年2ヶ月ごとに接近するので船出のタイミングを見計らう必要があり、しかも最も燃料を使わない方法で火星に向かうとすると250日前後もかかります。
  次に大気です。月に大気はありません。直径が地球の4分の1しかない月の重力は弱く、大気を留めておくことができません。一方、火星には大気がありますが、大気圧は地球の160分の1くらいという薄い大気で、9割以上が二酸化炭素なのでやはり宇宙服なしでは過ごせません。火星の直径は地球の半分くらいで、やはり重力が弱く、濃い大気を留めておけないので、もし火星を住めるように作り替える(テラフォーミングする)なら大量の大気を作り続けないといけません。
  温度は、月は大気がないので表面温度が昼は110℃、夜は−170℃にもなります。火星は平均気温が−55℃くらい、実際は−130℃〜30℃くらいの間で変化します。
  水はどうでしょう。月には、氷が大量に見つかっており、溶かして水として使うことができそうです。火星には最近になって水が発見され始め、中にはそう大きくはないけれど液体の水が存在する湖を発見したという報告もあります。本当かどうか今後確認していく必要はありますが、たとえ湖があったとしても、かなり低い気温の中、水が液体のままでいられるということは相当塩分が強いのかもしれません。
  こうして比べてみて、どちらが住みやすいと思いましたか?私なら、近いから月かなぁ…?とも思いますが、居住環境という意味ではまだ火星の方がマシ?という気もします。駅近で実家からも近いけど1Kか?駅から遠くて不便だけど3LDKか!?みたいな感じでしょうか。

 

Q.宇宙食でオススメのものはありますか?(8歳 女の子)
A.まず、科学館のお土産コーナーなどで見かける宇宙食ですが、あれはあくまでお土産品で、実際に宇宙に持っていかれているものではありません。さて現在の宇宙食ですが、日本のJAXAでは日本の食品メーカーから提案されたものを「宇宙日本食」に認証し、宇宙に持っていっています。32社/団体による56品目が認証されていますが、実はその中身はふだん私たちが口にしているものとあまり変わりません。詳しくはこちらを見てみましょう。どれもおいしそうですよね。そして宇宙食としては売られていませんが、地上食バージョンとしては身近なところで手に入りそうなものばかりです。私も宇宙食として食べたことはありませんが、食べてみたいなあと思うのは「日清スペースカップヌードル」ですかね。たぶん、ふだん食べているのとあまり変わらないとは思いますが…
  宇宙では血液や体液が上の方に上がりがちになり、顔がむくみ鼻づまりになって味を感じにくくなるので味付けが濃いめにされているといいます。ただし調味料の量は同じで、加える水の量を少なくしてある(煮詰めたような感じでしょう)ので、味は濃く感じますが身体に悪くはないそうです。

 

Q.ほしはあついですか?つめたいですか?(7歳 女の子)
A.星座を形作っている恒星たちは、基本的に熱いです。恒星は太陽と同じように自ら光を放つ星で、温度が低いものでも数百℃くらいはあります。温度の高いものでは18万℃というものもあります。惑星などに関しては、金星のように460℃もある熱い星もあれば、冥王星のように太陽から遠く平均気温が−230℃という冷たい星もあります。星ではありませんが、ケンタウルス座にあるブーメラン星雲は温度が−272℃と絶対零度に近く、宇宙で最も冷たい場所とされています。

 

Q.この辺で一番星がきれいに見える場所はどこですか?(不明)
A.念のため…「一番星」がきれいに見える場所、ではなくて、「一番、星がきれいに」見える場所、という意味ですよね?この場に具体的な場所を書くわけにはいきませんが、星がきれいに見える条件は、1.街のあかりがない、2.空気がきれい、3.視界をさえぎる高い建物がなく開けている、の3つでしょうか。なるべくこれに当てはまるような場所を探してみましょう。天の川まで見られるような星空は、あくまで目安ですが、久喜からは車で2時間くらい(高速道路含む)山側に走った辺りではないかと思われます。

 

Q.久喜の家のベランダから星をみても月と惑星と1等星しかみえません。山梨県都留市の実家に帰ったら北斗七星やカシオペアなどもくっきり観えてしぶんぎ座流星群までみられました。プラネタリウムみたいでした。なぜですか!(46歳 女性)
A.ひとつ前の質問のお答えにある、3つの条件が満たされているからではと思います。良いご実家をお持ちですね。あくまでプラネタリウムが実際の星空をまねているものなので、「プラネタリウムが本物の星空みたい」と思っていただけると良いなと思います。

 

Q.ほしはどうしてひかってるんですか?(7歳 女の子)

  ほしはなんであかるいの?(28歳 男性)

  星がキラキラ光ってみえるのは何かもえている(何がもえてる?化学変化?)からですか?太陽などの光の反射ですか?(51歳 男性)
A.星座の星々はみな、太陽と同じ種類の星(恒星)で、中心で起こる核融合反応によって莫大なエネルギーを生み出し自ら光っています。核融合反応とは、水素のような軽い原子同士がぶつかって、重たい原子ができる反応で、このとき1つになった原子はごくわずかな質量を失う代わりに、非常に大きなエネルギーを生み出します。例えば、太陽の中心核では水素原子4個が合体してヘリウム原子に変わっています。一方、火星や土星などの惑星や、月などは自分で光を出さず、太陽の光に照らされて光っています。

 

Q.星がばくはつしてしまうのはなぜ?(3歳 男の子)
A.3歳のお子さんにはちょっと難しい内容ですね…とてもかんたんに言ってしまうと、星が年をとって死んでしまうからです。爆発を起こすのは太陽と同じように自ら光っている「恒星」で、地球などの惑星や、そのまわりを回る衛星などは爆発しません。恒星の一生の終わりの爆発を「超新星爆発」といい、爆発が起こる理由を大きく二つに分けると、ひとつ目は、白色矮星(爆発しなかったタイプの星の終わりの段階で、小さく縮んでいて重力が強い)のそばに赤色巨星(年をとった星で、赤く大きくふくらんでる)があると、赤色巨星の表面のガスが白色矮星の強い重力でどんどん吸い込まれ、燃料が多くなりすぎて核融合反応が暴走して爆発するパターン。ふたつ目は、太陽よりも8倍以上重たい星が核融合反応の燃料を使い果たしてしまうと、内側から星を支えていた力が弱まり、まん中にむかって急激につぶれようとする力が働き星のまん中の部分が崩れて爆発するパターンです。しかし実は爆発の起こるしくみは詳しくはわかっておらず、今も研究が続けられています。大きくなったらぜひこの謎を解き明かしてみてください。

 

Q.星は何しゅるいありますか?(9歳 女の子)
A.まず、私たちの太陽系の中で考えてみましょう。中心にある太陽は自ら光り輝く恒星です。そのまわりを回る地球などは惑星、さらに惑星のまわりを回るのは衛星です。主に火星と木星の間に見られる小型の星は小惑星。太陽に近づくと長い尾を引く彗星も太陽系のなかまです。冥王星やその外側に見られる天体を太陽系外縁天体などと呼びます。冥王星自体は今のところ、準惑星に分類されています。大きく分けていくとこんな感じですが、惑星も地球型惑星(岩石惑星)と木星型惑星(ガス惑星)に分けられたり、小惑星もC型(炭素型)やS型(ケイ素型)、M型(金属型)に分かれているほか軌道によっても分類されたり…とそれぞれさらに細かく種類はわかれていきます。太陽のような恒星にも赤色巨星や白色矮星といった進化の段階による分類や、O型、B型、A型、F型、G型、K型、M型といったスペクトル型による分類など、いろいろな分け方があります。「何しゅるい」はひと口にお答えするのは難しそうです。

 

Q.アルゴ座全体を日本で、見ることは出来ますか?また、アルゴ座が1番よく見える場所はどこですか?(11歳 女の子)
A.アルゴ座は現在存在していない巨大な船の星座で、今はとも座、らしんばん座、ほ座、りゅうこつ座の4つの星座に分けられています。日本からは南の地平線に近く、観察するにはなるべく南に行く必要があります。しかし一般の人が行ける範囲では最も南にある波照間島でも全体を見ることはできず、りゅうこつ座の一部が地平線より下になってしまいます。人は行けませんが、日本最南端の島が沖の鳥島(北緯20度25分32秒くらい)です。残念なことにここでもりゅうこつ座の下の方、船の底あたりがギリギリ見えません。日本で全体は見られないということです。赤道以南、南半球の国に行けば間違いなく見られますが、1番よく見える場所は…地形や天候は無視して考えるならば、南中する時、天頂付近にやってくる場所?でしょうか??南緯40°前後の場所が良さそうなので、日本から行きやすいところではオーストラリアのメルボルンあたりではないかなと思います。

 

Q.夕方くらくなったときに月がすごく大きくみえるのはどうしてですか(9歳 女の子)
A.これは目の錯覚によるものと言われています。太陽や月が空高く登っている時は、広い空にぽつんと、まわりに比べるものがありません。しかし地平線や水平線の近くにある時は、まわりの建物や山などと比べられるため大きく感じてしまうのだろうと考えられています。まっすぐ腕を伸ばして五円玉を手に持つと、月が五円玉の穴にすっぽりおさまります。月が空高く登っている時と地平近くにある時、両方を五円玉でのぞいてみると大きさが変わらないことが確かめられます(目を傷めてしまうのでこの方法を太陽では試さないでくださいね)。

 

【2024年3月18日更新分】

Q.うちゅうはどのくらい広いの?(8歳 女の子)

  うちゅうはどこまでつづいているの(9歳 女の子 
A.地球から観測可能な範囲では、930億光年くらいと考えられているようです。地球からはもうそれ以上遠くが見えないだけで、実際はもっと広がっているのでしょう。

 

Q.小学生の時友達が言っていたのですが。宇宙にははてがあるのだろうかということです。(54歳 女性)
A.宇宙には、果て(はしっこ)がないと考えられています。宇宙を地球に例えてみるとわかりやすいです。地球上のわたしたちの世界はあくまで地表の上です。では、世界の果てはどこ?と聞かれたらなんと答えますか?丸い地球の上ではぐるっとまわってきたらもとのところへ戻ってきてしまいます。つまり世界の果てはありません。宇宙も似たようなつくりをしていると考えられているため、果てというものがないのです。

 

Q.太ようはいつなくなるの?(8歳 女の子)
A.太陽の寿命はあと50億年くらいと言われています。私たちが生きているうちはなくならないので安心ですね。太陽はガスでできていますが、歳をとると赤く大きくふくらんだあと、中のガスが抜けてしぼんでしまい一生を終えます。風船みたいですね。重さが太陽の8倍以上ある星は最後に爆発を起こします(超新星爆発といいます)。

 

Q.星は生きてると思いますか?(寿命があるので)(54歳 男性)
A.確かに、ひとつ前の質問のお答えのように、「太陽の寿命」「星の一生」といった表現が使われます。ただしこれはあくまで比喩的な表現で、洗濯機や冷蔵庫などにも「寿命がきた」という表現は使われます。星間ガスから星ができたり、古くなった星がしぼんだり爆発したりして失われる様子は、あたかも星が生まれたり死んでいったりするように感じられますが、恒星や惑星、小惑星などが生命の定義に当てはまるのかと言われると疑問です。生きていると捉えるか否か、人によって見解が分かれるところでしょう。個人的には「生きている」は例えであって、実際に生命、生物として扱うのは無理があると思います。

 

Q.太陽に近く観測しづらい水星についておしえて(54歳 男性)
A.水星は太陽から約5,800万kmしか離れておらず、太陽に最も近い太陽系の惑星です。約88日で太陽のまわりを公転してしまうので、足の速さから伝令の神ヘルメス(マーキュリー)の名がつけられています。直径は約4,880kmと、月よりやや大きい程度で、大気はなく、クレーターに覆われ、環境も月に似ています。昼間の温度は400℃以上にもなりますが、夜になると一転、−160℃くらいに冷え込みます。今年(2024年)の3月25日(月)は東方最大離角を迎え、水星が太陽から最も離れるので、その前後は日の入り後、西の低空で観察しやすくなります。明るさも0等級くらいで、夕方のあかりが残る空でも見ることができます。双眼鏡があるとより見つけやすでしょう。質問者さんが水星が見やすいうちにこの回答をご覧になられることを祈ります。

 

つづく(次回更新おたのしみに!)

 

 

 

 

 

2024「ほしぞら質問箱」お答え!

備考

すべての質問にお答えすることはできませんので予めご了承ください。

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